ホームステイに「当たり 外れ」はあるのか?


  • 留学の心得

2018.10.11

留学やホームステイプログラムに参加された/される皆さんが、ホームステイの「当たり外れ」についてお話されているのをよく耳にします。ホームステイが自分にとって良かったか、悪かったかという主観的な判断のようにも思われますが、ホームステイの「当たり外れ」の基準とは何なのでしょうか?

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目次

Summary

ホームステイの当たり外れって何だろう?

  • 親元を離れて異文化という環境で外国人のホストファミリーと生活するホームステイは、そもそも苦労して当たり前!?

  • 苦労の末につかんだホームステイのハッピーエピソード

  • ホームステイの当たり外れの基準は、自分に合うか合わないかでしかない

今回のナビゲーター

Mr.X 学生時代にバスケットボール部の監督に半強制的に!? マッサージ係として連れられ初渡米&ホームステイ。シアトルにある大学のサマースクールに参加。アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、そしてニュージーランドと、ホームステイ歴は数知れず。

ホームステイは苦労して当たり前!?

私は留学やホームステイの説明会で小中高校生、そして保護者の皆様に向けて、よく次のようなお話をしています。「みんなはお父さん、お母さんからたくさんのお金を払ってもらって、わざわざ苦労しに行くんだよ」、「留学やホームステイは、苦労をお金で買ったようなものです。それでも行かせますか?」と。
 
考えてみてください。長期でも短期でも留学やホームステイでは、親元を離れて異文化という環境で外国人のホストファミリーと生活をします。しかも言語は英語。コミュニケーションや食習慣、様々な文化の違いに直面したり、ホストファミリー各々の家庭のルールに従っての暮らしがホームステイです。言葉の壁も常につきまといます。日本で学校生活を送っていたら、このような大変な思いをする必要はないのです。

苦労が実を結んだホームステイエピソード

以前、アメリカで高校留学をした高校生のAさんとホストファミリーとの間にこんな逸話があります。ホストファミリーのお宅で希望に夢を膨らませて、順風満帆な留学生活を送る予定だったAさん。アメリカでのホームステイや高校生活にもだいぶ慣れてきましたが、ホストファーザーの父親とは全く会話がありませんでした。自分が嫌われているのか、だとしたら原因は何なのか。Aさんは自問自答の末、ホストマザーや現地のコーディネーターに相談します。どうやらホストファーザーの父親が反日感情を抱いているらしいということを知ります。
 
そこでAさんは思い切った行動にでます。それはAさんに対して冷たい態度をとっていたホストファーザーの父親と直接会話してみるというものでした。「日本人は嫌いだ。イルカを食べるから。イルカは哺乳類で頭がいいんだ」。ホストファーザーの父親がAさんに冷たく接していた理由は意外なものでした。同時に、日本にイルカを食糧として食べるという文化があるということを知らなかったAさんはショックを受けます。Aさんはイルカを食べたことがないこと。日本人が皆イルカを食べるわけではないこと。例えば、エスキモーだってアザラシやクジラを食べること。そして、食文化はその国や地域、民族の固有の歴史であること。いろいろなことを話し合ったそうです。
 
「そんなふうに考えたことはなかった」と、ホストファミリーの父親はAさんのことを認めてくれるようになったと言います。この時の会話がきっかけとなり、Aさんはホストファーザーの父親と意気投合し、帰国する頃にはディズニーランドに連れて行ってもらうほど仲良しになったとのことです。

ホームステイを「当たり外れ」で評価する前に、合わせる努力を

ホームステイを「当たり外れ」で評価する前に、合わせる努力を

冒頭で触れたホームステイの「当たり外れ」の話に戻ります。「当たり外れ」という表現を適切とは思いませんが、あえてAさんのホームステイを「当たり外れ」で言うならば、どちらでしょう? ホストファミリーのメンバーが自分と口をきいてくれないホームステイなんて「外れ」、いや「大外れ」と言っても良いかもしれません。でも留学を終える頃には、Aさんとホストファミリーとの関係は良好になりました。最終的には「当たり」になるのではないでしょうか。もちろん、それはAさんが自分の頭で考えて、自分の力で現状を打破したからにほかなりません。

にぎやかな大家族で育った人が老夫婦だけのホストファミリーと生活することになったら、寂しいと感じる人もいるでしょうが、静かなのも良いものだと感じる人もいるはずです。野菜がたくさん出てくるホストファミリーの食事を野菜好きの人はラッキーと思うでしょうが、野菜嫌いの人は嫌でたまらないでしょう。このように、ホームステイでの一般に言われる「当たり外れ」というのは、つまりは自分に合うか合わないかということなのだと思います。
 
もしも皆さんがホストファミリーの立場で、外国人留学生が皆さんの家でのホームステイやホストファミリーであるあなたの家族のことを友達に「外れ」だと言っていたら… ショックですよね。「外れ」の理由を知りたいし、直接相談してほしいと思いませんか? ホームステイは異文化体験です。妥協や諦めではなく、前向きな気持ちで違いは違いと認めて受け入れること、理解しようと努めることが、「当たり」のホームステイを引き寄せる一歩なのではないでしょうか。
 
ぜひ皆さんからホストファミリーに「なぜ私を受け入れてくれたの?」と聞いてみてください。一人暮らしの老婦人が受け入れてくれた理由は? 生活保護を受けている家族が受け入れてくれた理由は? その答えは、皆さんの想像を超えていることが多いものです。

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短期の留学でも長期の留学でも人気の滞在方法がホームステイ。旅行でホテルに泊まるのと何が違うの? ホームステイの意義やホームステイを成功させるために大切なポイントについてご紹介します。

アイエスエイの留学・ホームステイについて

1970年の設立以来、アイエスエイのプログラムでホームステイや留学に参加された方は延べ80万人以上。50年間にわたる経験とノウハウを活かし、保護者の皆様にご安心いただけるよう、大切なお子様をお預かりする立場として安全対策に全力で取り組んでおります。グループツアーの場合、日本出国から帰国までの全行程、1グループにつき、2名以上の添乗員が同行します。プログラム中は、現地コーディネーターもサポートします。また、日本国内では、アイエスエイスタッフがお電話とメールにより、皆様からのお問い合わせに対応させていただきます。


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